育成就労・特定技能・留学で使える日本語試験の比較:JLPT・JFT-Basic・BJT(2026年版)
考察思考点:在留資格の手続きで「日本語能力」を証明するとき、使える試験は一つではありません。どの試験を選ぶかは、①その在留資格が求めるレベル(A1・A2・N1相当など)、②受験できる時期と回数、③結果が出るまでの期間、の三つで決まります。2026年8月にJFT-Basicの判定が細かくなり、2027年4月には育成就労が始まるため、今年は試験選びの前提が大きく変わる年です。
3つの試験の基本比較
| 項目 | JLPT(日本語能力試験) | JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト) | BJT(ビジネス日本語能力テスト) |
|---|---|---|---|
| 実施団体 | 国際交流基金・日本国際教育支援協会 | 国際交流基金 | 日本漢字能力検定協会 |
| 方式 | 紙の試験(マークシート) | CBT(テストセンターのパソコン) | CBT(テストセンターのパソコン) |
| 実施頻度 | 年2回(国内は7月・12月) | CBTで年複数回(国・会場により異なる) | CBTで通年(会場を予約して受験) |
| 結果 | N1〜N5の合否 | 250点満点のスコア+判定 | 800点満点のスコア(J5〜J1+) |
| 測るもの | 言語知識・読解・聴解 | 生活場面でのコミュニケーション | ビジネス場面での対応力 |
| 向いている人 | 進学・就職で最も広く通じる資格がほしい人 | 育成就労・特定技能で就労する人 | 日本企業で働く人・高度専門職を目指す人 |
JLPTは知名度が最も高い一方、国内では年2回しか受けられず、申込が短期間で締め切られることもあります。JFT-BasicとBJTはCBTのため日程を選びやすく、結果も早く出るのが利点です。
JFT-Basicの判定が3段階に(2026年8月〜)
2026年8月から、JFT-Basicはこれまでの「A2」に加えて「A1」「A2.1」も判定できるようになりました。
| スコア | 判定 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 145〜174点 | A1 | 育成就労の就労開始前、留学(日本語教育機関)の日本語能力の証明 |
| 175〜199点 | A2.1 | A1を超え、A2に向かう途中段階の確認(育成就労の途中段階を想定) |
| 200〜250点 | A2 | 特定技能1号 |
これにより、JFT-Basicは特定技能だけでなく、育成就労や留学の手続きでも使える試験になりました。
在留資格ごとの日本語要件
| 在留資格・場面 | 求められる水準 | 使える試験の例 |
|---|---|---|
| 留学(日本語教育機関に入学) | A1相当以上 | JLPT N5以上、JFT-Basic A1以上、BJT 300点以上 など(または学校の面接で確認) |
| 育成就労(就労開始前) | A1相当以上 | JLPT N5以上、JFT-Basic A1以上(または認定日本語教育機関等での100時間以上の講習) |
| 育成就労(転籍時) | 分野別運用方針で定める水準 | 分野ごとに確認 |
| 特定技能1号 | A2相当以上 | JLPT N4以上、JFT-Basic 200点以上(+分野別の技能試験) |
| 高度専門職(ポイント加算) | N1相当:15点/N2相当:10点 | JLPT N1・N2、BJT 480点以上(15点)・400点以上(10点) |
留学の日本語要件は2026年に見直され、「150時間の学習歴」による証明が廃止されました。詳しくは日本留学签证日语要求新规(中国語)を参照してください。
育成就労の日本語要件の流れ
育成就労は、技能実習に代わって2027年4月に始まる制度です。日本語能力は段階的に確認されます。
| 段階 | 日本語要件 |
|---|---|
| ① 就労開始前 | A1相当の試験に合格、または認定日本語教育機関等でA1相当の講習を100時間以上受講 |
| ② 育成期間中 | A1相当の試験を受験し、到達度を確認 |
| ③ 転籍するとき | 分野別運用方針で定める日本語能力 |
| ④ 特定技能1号へ移行 | A2相当(JLPT N4またはJFT-Basic 200点以上)に合格 |
受入れ企業にとっては、入国前の試験だけでなく、入国後にA2まで伸ばす日本語教育の計画が必要になります。
どの試験を選ぶべきか
- とにかく早く証明が必要:CBTで日程を選べるJFT-Basic(生活・就労系)かBJT(ビジネス系)。
- 進学・転職でも長く使いたい:JLPT。N4・N3・N2と段階的に取っていくと、特定技能から高度専門職まで一貫して使える。
- 日本企業でホワイトカラーとして働く:BJT。高度専門職のポイント加算にも使え、JLPTより実務に近い問題が出る。
BJTの対策記事はBJT商务日语にまとめています(中国語)。
よくある質問
JLPT N5とJFT-Basic A1は同じレベルですか?
どちらもCEFRのA1相当として、留学や育成就労で同じ扱いを受けます。ただしJLPTは言語知識の比重が高く、JFT-Basicは生活場面での会話や聴解の比重が高いため、得意な形式で選ぶのがおすすめです。
特定技能1号の日本語要件はJLPT N4でも大丈夫ですか?
大丈夫です。特定技能1号はJLPT N4以上またはJFT-Basic 200点以上(A2)のどちらかで日本語要件を満たします。介護分野など、別に分野独自の日本語試験が必要な分野もあるので、分野別の要件も確認してください。
BJTは留学の日本語証明にも使えますか?
使えます。出入国在留管理庁は、日本語教育機関への入学時の日本語能力の証明として、BJT 300点以上を当面認める試験に挙げています。
参考資料
- 出入国在留管理庁「>日本語教育機関への入学をお考えのみなさまへ」
- 出入国在留管理庁「>高度人材ポイント制の加点対象となる日本語能力一覧」
- 国際交流基金「>JFT-Basic 育成就労や留学での活用も可能に」
- 日本漢字能力検定協会「>BJTビジネス日本語能力テスト」
- 日本語能力試験 公式サイト「>JLPT」
情報は2026年9月時点のものです。育成就労の運用は分野別運用方針などで今後具体化されるため、手続きの際は出入国在留管理庁の最新情報を確認してください。
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